「話せる技術者」でないと味わえない達成感。
—さっそくですが、滝川工業のエンジニア職で、「ここは他社と違うな」と思う部分を教えてください。
文山:やっぱり、オーダーが入った仕事は基本的に現場へ行って、最初から最後まで関わることでしょうか。現場で機械が狙い通りに動いているのを見ると安心しますね。それに「機械が動いて楽になったよ。この機械を待っていたよ」という声を直接いただいて、お客様が喜んでいる姿を見られるのが滝川工業のエンジニア職の魅力です。
岩迫:うん。僕も設計だけじゃなくて、いろんな場所に行けるのはうちのいいところだと思います。自分の作ったものをお客様に使ってもらって、「使いやすいね。問題ないよ」と言ってもらえると嬉しいし、やりがいを感じますね。
—それはエンジニア職としては珍しいことなのでしょうか?
文山:そうですね。エンジニア職は設計して、説明書を作り、試運転の計画を立てるところまでが仕事で、現場は別の人に任せるという会社が多いです。なので、自分が設計したものが動くところを見届けられる達成感は、他社ではなかなか味わえません。現場の生の声も聞けるので、次の設計に生かすこともできます。設計の人間が来るのは珍しいとお客様も知っているので、「滝川が来るのを待っとったよ」と声をかけていただく事もあります。
—では滝川工業のエンジニアは、話し上手の方が向いているのでしょうか?
岩迫:最低限のコミュニケーションができれば向き不向きはあまりないと思います。それよりも、分からないところをそのままにするのではなく、ちゃんと質問できる姿勢が大切だと思います。
文山:そうですね。私もどちらかといえば人見知りするタイプだったので最初は戸惑っていましたが、いろんな先輩が声をかけてくださったり、アドバイスをしていただきました。1人で悩まず、徐々に慣らしていきましょう。
—ありがとうございます。滝川工業で大切なのは、お客様と向き合う意欲ということですね。
お客様にオーダーメイドの機械を届けるため。
機械技術職と電気技術職は、バディのような存在です。
—滝川工業の主力製品は鉄パイプなどを結束する結束機械や、蒸しパンやプリンを作る蒸し器ですが、それ以外のものも依頼に応じて作ります。まずは文山さん。機械技術職の仕事の流れを教えてください。
文山:機械技術の仕事はお客様との打ち合わせをもとに、製作工程に渡す部品図を作ることから始まります。図面は担当課長と相談しながらCADソフトを使って作成していきます。そして製造部門に図面を渡して、部品を作ってもらう間に、お客様の元で工事を行うために必要な書類を作っていきます。届出関係や取扱説明書の作成、工程表などです。
—取扱説明書も書くのですね。
文山:そうですね。弊社の製品は一品一様オーダーメイド、なので汎用の説明書が使えません。装置ごとの取扱説明書を毎回書いています。中には「そんなの前例がないよ!」と思うご要望もありますが、いかに工夫して応えられるかが腕の見せ所です。
—案件を設定し、書類を作った後はどのようなことをするのでしょうか。
文山:まだまだやることは山ほどあります。工事をお願いする業者さんの選定と見積もり発注をしたり、現場で据付工事の現地監督をして、試運転の計画を作って実際に試運転の記録を取ってお客様に提出したりします。最後にお客様に設備を使っていただく所に立ち合いをして、OKが出たら現場から帰ってくる。それが基本の流れです。
—ありがとうございます。続いて岩迫さん、電気技術職の仕事内容についても教えてください。
岩迫:電気技術は、機械技術からの「こういう動かし方をしたい」という要望に合わせて電気設計を行うのが仕事です。電気設計は、ハードとソフトの2つに大きく分けられます。
ハードでは、電気接続回路図をお客様と確認しながら、制御盤や操作板を作ります。分電盤を思い浮かべていただければイメージが掴めるかもしれません。そして、実際に機械が動くか確認するまでが、ハード面での仕事の流れです。
ソフトでは、PLC(プログラマブルロジックコントローラー)という、工場用のコンピューターのソフトを設計して自動的に機械が動くようにします。実際に作ったものの検査をして、お客様先に納品するところまでが仕事です。
—やることが沢山ありますが、どのように仕事を覚えてい区のでしょうか?
文山:まずは部品図の書き方から覚えてくのが入り口ですね。あとは現場での試運転に、補助として新人さんを連れていきます。その後少しずつ単品の部品の設計をやってみようか、とステップアップしていき、4、5年くらいかけて全体を任せていきます!
岩迫:前提として機械の名称や動きがわからないと設計はできないので、先輩のソフトや設計を見ながら学んでいきました。全体設計を先輩がやって、新人はその様子を見ながら細かい設計を行う、という感じですね。先輩の見よう見まねでも、自分の手で機械を動かせると、今後仕事をしていく自信につながりました。
—滝川工業では、電気技術と機械技術でそれぞれ役割分担をして、一つの製品を作るんですよね。
岩迫:はい。その上で、製品の据付をしに電気担当と機械担当の2人で現場に行くことが多いです。機械と電気が一体になっているというのも、滝川工業の強みですね。
文山:電気と機械で、各分野を相手に任せているので、互いに頼りがいがあるなと感じています。
岩迫:分からないことは聞き合ったりもしますよね。
—お互い技術力を信頼しているからこその働き方ですね!
踏み込みすぎず、でも遠慮はせず。
対等なパートナー関係は、お客様とも。
—お客様先で気をつけていることはありますか?
文山:ラインを1時間止めただけで何億もの損失が出る会社さんもありますから、工程は止めないようにしています。そのためにも、工程やライン状況の擦り合わせは丁寧に行いますね。
岩迫:そうですね。ラインは動かせるように心がけています。あとは言われたことをなんでもするのではなく、安全上危険なことはきちんと断るようにしています。
文山:それに加えて、お客様の要望を聞きつつも、うちがしたいことをお客様にきちんと提案することも、最終的な理想を実現するために大事だと考えています。遠慮はしないけど踏み込みすぎないバランス感覚をつかむには経験が必要ですが、そんな時こそ、先輩に質問などをして頼ってください!
—お客様先へ出向くことが多い滝川工業ですが、海外に行くことはありますか?
文山:最近はコロナで減りましたが、ものづくりは海外の業者さんにやっていただいているので、規模によっては作業を見るために現地に行くこともあります。昔はヨーロッパやアメリカが多かったのですが、最近はアジアに行くことが多いですね。私は中国に行ったことがあります。
岩迫:自分は海外の工場の立ち上げでインドネシアにいきました。日本語を話せる現地の業者さんに通訳してもらって、現地で配線の指導などをしました。
—言葉や文化の壁があっても、滝川工業のエンジニアは現場へ出向き、話す。だからこそ国を超えて頼られるのかなと感じました。ありがとうございました!